ニッケル水素電池(Ni-MH)の反応
ニッケル水素電池は正極がオキシ水酸化ニッケル、負極が水素吸蔵合金、電解液は水酸化カリウム水溶液で構成されており、ニッケルカドミウム電池の負極をカドミウムから水素吸蔵合金に置き換えた構造を持っています。
ニッケル水素電池は、以下のような化学反応で放電を行います。
なお、反応式中のMは水素吸蔵合金を表しています。
放電時の負極での反応式
MH + OH- → M + H2O + e-
放電時に負極では水素吸蔵合金の水素が水酸化物イオンと反応し水と電子が生成されています。
放電時の正極での反応式
NiO(OH) + H2O + e- → Ni(OH)2 + OH-
放電時の正極では、ニッケル水素電池と同様にオキシ水酸化ニッケルと水が電子を受け取り、水酸化ニッケル(Ⅱ)と水酸化物イオンが生成されています。
全体の反応式
上記の負極と正極の反応を合わせると以下のような全体の反応式になります。
NiO(OH) + MH ⇔ Ni(OH)2 + M
全体としては、放電時には水素吸蔵合金の水素とオキシ水酸化ニッケルが反応して、水酸化ニッケル(Ⅱ)が発生し、充電時にはこれと逆の反応がおこります。