リチウム-空気二次電池

 リチウム-空気二次電池は、正極活物質として空気中の酸素を用いる金属-空気二次電池の一種で、その名称は負極活物質にリチウム(Li)を用いることに由来します。

 金属-空気二次電池の最大の特徴は、セル外の空気中に存在する酸素をセル内部に取り込んで反応に用いるため、正極活物質をセル内にあらかじめ準備する必要がない点にあります。

 この点は正極活物質をセル内に保持する必要のある一般的な二次電池と比較して、体積、重量の両面で有利な特徴となります。

 また、リチウム-空気二次電池は、単金属の中で最も低い標準電極電位を示すリチウムを負極活物質として用いるため、金属-空気二次電池の中でも最も高いエネルギー密度の理論値を持っています。

構造

 現在研究の進められているリチウム-空気二次電池では、負極、正極、電解質として以下のような物質が用いられています。

  • 負極活物質:リチウム
  • 正極活物質:酸素
  • 電解質:ポリマーゲル、有機電解液、固体電解質+アルカリ電解液など

長所

 リチウム-空気二次電池の最大の長所は13.0kWh/kgという非常に高い理論エネルギー密度です。

 現在市販されている二次電池の中で理論エネルギー密度が最も高いものはリチウムイオン電池ですが、そのリチウムイオン電池でさえ理論エネルギー密度は0.66kWh/kgなので、リチウム-空気二次電池のポテンシャルは桁外れといえます。

課題

 リチウム-空気二次電池の実用化に向けての課題には以下のようなものがあります。

  • 長寿命で安全なリチウム負極の開発
  • 放電(酸素の還元)と充電(酸素の発生)の繰り返しに耐えうる触媒の開発
  • イオン電導性の高い固体電解質の開発

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