パナソニック、マイナス40℃の低温下でも充電・放電が可能なニカド電池を開発
パナソニック株式会社は、マイナス40℃の低温下でも充電・放電が可能なニカド電池を開発したと発表しました。
この電池は「カドニカ GTシリーズ」という商品名で、2013年8月からサンプル出荷され、2014年度から量産が開始される予定です。
今回開発された電池では以下のような技術を用いて、これまでのニカド電池では困難であった低温環境での充放電を可能としています。
高性能負極板の開発
これまでのニカド電池では、温度の低下に伴い負極の活物質の反応が鈍くなるため、氷点下で充電・放電することが困難となっていました。
今回開発された電池では、この問題を解決するために新開発された“高性能負極板”を採用することで、活物質を微細化し低温での反応性を改善したため、低温特性が約50%向上しています。
電解液マネジメント技術
ニカド電池の電解液は水溶液系であるため、低温環境では電解液が凍結しやすくなります。
今回開発された電池では、過去に蓄積された技術やノウハウの活用により電解液の濃度が最適化され、マイナス40℃まで対応できる仕様が実現されています。
独自の正極板焼結技術
一般的にニカド電池は、低温環境下で過充電されると正極活物質が膨張し寿命が短くなります。
今回開発された電池には、パナソニック独自の焼結技術が採用され、強度に優れた正極板構造が実現されており、この構造で活物質の膨張を抑制することより低温下での長寿命化を実現されています。