東芝、車載向けリチウムイオン電池監視チップセットを製品化 - 業界最高となる最大16セルの監視が可能
東芝は、ハイブリッド自動車・電気自動車などに搭載するリチウムイオン電池の安全性確保と性能劣化を防止するためのデバイスとして、電池の残容量や異常状態の検出のほか、残容量の均等化を行う電池監視チップセットを製品化し、2013年2月からサンプル出荷を行い、2014年4月から量産を開始する発表した。
このチップセットは、一つのICで業界最高となる最大16のリチウムイオン電池セルを監視できる監視IC「TB9141FG」と、ARM社 CortexTM -M3を採用したマイクロコントローラ「TMPM358FDTFG」から構成されている。
監視IC「TB9141FG」は、モーターやインバーターに起因するノイズ対策として、監視IC間の通信方式に電位差を利用し、ノイズ除去を可能にする構成を採用することで、ノイズ環境下でも安定した通信ができるように工夫されている。
マイクロコントローラ「TMPM358 FDTFG」は、機能安全の国際規格である「IEC61508」と「ISO26262」に対応しており、バックアップRAM機能とスリープ機能が実装されているほか、東芝独自の省電力化技術を適用することで、低消費電力での電池監視システムを実現している。
また、今回の製品化にあたり、「TB9141FG」と「TMPM358 FDTFG」を組み合わせた基本的なリファレンスモデル(推奨回路)と、機能安全(IEC61508/ISO26262)対応が可能なソフトウェアライブラリが提供されており、これらを活用することで電池監視システムを容易に構成できるようになっている。